長野県山ノ内町の志賀高原焼額山スキー場でスノーボードをしていて遭難した岐阜県安八町城、会社員安田さん(25)ら岐阜県の20代の男性6人と、長野県白馬村の白馬47スキー場で行方が分からなくなっていた神奈川県鎌倉市岩瀬、会社員杉山さん(24)は8日午前、いずれも長野県警に救助された。全員けがはなく元気だという。
また、同県小谷村の北アルプス・白馬乗鞍岳の山の神尾根付近(約1400メートル)で山スキー中に遭難した神戸市須磨区の会社員原田さん(35)と妻(37)も同日午後、ふもとの栂池高原スキー場に自力で下山した。2人とも両手の指に軽い凍傷を負っているが、比較的元気だという。
中野署によると、安田さんら6人は同日午前1時50分ごろ、スキー場のコースから約2・5キロ離れた標高約1000メートルの谷間の沢筋でビバークしているところを発見された。雪で作った壁の中で身を寄せて寒さをしのぎ、6個だけあったのどあめを分けて食べたという。
大町署によると杉山さんは同日午前8時45分ごろ、コースを外れた林の中にいるのを県警ヘリに発見された。友人3人とスノーボードをしていて、コースを外れて戻れなくなった。雪に穴を掘り救助を待っていたという。原田さん夫妻はスキーや簡易テントなどを捨て徒歩で沢を下りた。
◇携帯GPS活用し居場所など連絡 岐阜の6人
志賀高原のスキー場で遭難した岐阜県の6人グループは、衛星利用測位システム(GPS)など携帯電話の機能を活用して家族や警察と連絡を取り続け、ふだんスキー客が踏み入ることのない奥地で救助を待っていた。
グループのうち同県安八町城の大学生戸谷文紀さん(20)らの話では、6人は昼食をとるため山頂付近から滑って戻る途中、吹雪で視界が悪くなってコースを外れた。持っていたパンフレットでコースに戻る道を探したが、さらに迷い込んだ。
その後、携帯電話を使ってメールで家族に救助を求め、ホテルにも数回連絡。さらにGPSで自分たちの居場所を確認し、沢の位置や方角などを伝えたという。
滑り始めたときは少し雪が降っている程度だったため「せっかく長野まで来たのだし(悪天候を予測しての計画変更は)考えていなかった。新雪がかえってパウダースノーになると思っていた」(戸谷さん)という。