2007.11.24 Saturday
<雪崩>テント、行方不明の4人は死亡 北海道・十勝岳連峰
11/23日発生の雪崩事故続報
北海道上川管内上富良野町の十勝岳連峰・上ホロカメトック山(1920メートル)の安政火口付近で、日本山岳会北海道支部のパーティー11人が雪崩に巻き込まれた事故で、道警などは24日朝、心肺停止状態でテントに残されていた札幌市鈴木さん(63)▽同区無職、鶴岡さん(56)▽同市吉沢さん(60)を収容した。行方不明だった十勝管内芽室町助田さん(68)も現場で見つかり、いずれも上富良野町立病院に搬送されたが、4人とも死亡が確認された。
捜索は午前6時、道警山岳遭難救助隊や陸上自衛隊、山岳会道支部のメンバーら115人態勢で始まり、約1時間後、登山口前の前線基地、温泉旅館「凌雲閣(りょううんかく)」から約2キロ離れた現場に到着した。捜索隊は、心肺停止状態でテントに収容されていた鈴木さん、鶴岡さん、吉沢さんの3人を収容した。また、行方不明だった助田さんは同9時ごろ、テント近くで雪に埋まっているのが見つかった。
雪崩は23日午後0時5分ごろに発生。道警が24日朝、調べたところ、雪崩の規模は幅10メートル、奥行き50メートル、深さ2メートルだった。
◇力落とす山岳会メンバー
北海道上富良野町の十勝岳連峰・上ホロカメトック山(1920メートル)で日本山岳会北海道支部のメンバーが雪崩に遭った事故は24日朝、4人の死亡が確認された。最悪の結果に、パーティー隊長を務めていた中村さん(60)は「覚悟はしていたことだが……」と言葉を詰まらせた。
この日の朝、中村さんら山岳会の約10人は捜索隊に加わるため、前線基地の宿泊施設「凌雲閣(りょううんかく)」に集まった。自身も雪崩に巻き込まれた中村さんは「雪崩は予想ができなかった。昨夜は心配で一睡もできなかった」と苦渋の表情。パーティーの一員だった植田さん(61)も「残念でたまらない」と力を落とした。一行は午前6時半に出発し、約1時間後に現場に到着。そこで緑色のテント内に残されていた鈴木さん、鶴岡さん、吉沢さんの3人を収容した。間もなく、テントから5メートルほど離れた地点で雪に埋もれた助田さんを発見。助田さんも既に意識はなく、中村さんは「無念の一言だ」とうめいた。
亡くなった4人は山岳会の主要メンバー。鈴木さんは雪崩発生時、パーティーの先頭に立ち、スキーで通る道をつくる役目をしていたという。中村さんは「一緒にいろんな山へ入った。7、8年前に始まった上ホロカメトック山での雪上訓練も毎年、来ていた」と振り返った。助田さんと親交があった山岳会の吉野さん(66)は「山の人だった。経験も豊富だったのに……」とため息をついた。
一方、上富良野町立病院に駆けつけた助田さんの長男(35)と長女(38)は「父は『天気が気になるけど、気をつけていってくる』と言って出かけました。事故に遭ったのは、まだ信じられない」と涙ぐんだ
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追加情報
十勝岳連峰4人死亡、今回の雪崩は速度速い「面発生
北海道上富良野町の十勝岳連峰上ホロカメットク山(1920メートル)で雪崩が発生し男女4人が死亡した事故で、日本雪氷学会北海道支部の雪氷災害調査チームは25日、現地調査を行い、今回の雪崩について「表層雪崩の一種で、大型で速度が速く危険性が高い面発生乾雪表層雪崩だった」と発表した。
調査によると、雪崩は幅70メートル、長さ460メートル、深さ0・7メートルの規模で、発生地の化物岩付近の斜面(1620メートル付近)から破断した積雪層が、V字谷(1430メートル付近)をめがけて崩れ落ちた。
また、今回の雪崩は発生地点の破断面を確認できる「面発生」と判明。崩れた雪は、乾いた雪かしまり雪と呼ばれる「乾雪」で、古い雪の上に積もった新しい雪部分の「表層」だったことがわかった。
北海道上川管内上富良野町の十勝岳連峰・上ホロカメトック山(1920メートル)の安政火口付近で、日本山岳会北海道支部のパーティー11人が雪崩に巻き込まれた事故で、道警などは24日朝、心肺停止状態でテントに残されていた札幌市鈴木さん(63)▽同区無職、鶴岡さん(56)▽同市吉沢さん(60)を収容した。行方不明だった十勝管内芽室町助田さん(68)も現場で見つかり、いずれも上富良野町立病院に搬送されたが、4人とも死亡が確認された。
捜索は午前6時、道警山岳遭難救助隊や陸上自衛隊、山岳会道支部のメンバーら115人態勢で始まり、約1時間後、登山口前の前線基地、温泉旅館「凌雲閣(りょううんかく)」から約2キロ離れた現場に到着した。捜索隊は、心肺停止状態でテントに収容されていた鈴木さん、鶴岡さん、吉沢さんの3人を収容した。また、行方不明だった助田さんは同9時ごろ、テント近くで雪に埋まっているのが見つかった。
雪崩は23日午後0時5分ごろに発生。道警が24日朝、調べたところ、雪崩の規模は幅10メートル、奥行き50メートル、深さ2メートルだった。
◇力落とす山岳会メンバー
北海道上富良野町の十勝岳連峰・上ホロカメトック山(1920メートル)で日本山岳会北海道支部のメンバーが雪崩に遭った事故は24日朝、4人の死亡が確認された。最悪の結果に、パーティー隊長を務めていた中村さん(60)は「覚悟はしていたことだが……」と言葉を詰まらせた。
この日の朝、中村さんら山岳会の約10人は捜索隊に加わるため、前線基地の宿泊施設「凌雲閣(りょううんかく)」に集まった。自身も雪崩に巻き込まれた中村さんは「雪崩は予想ができなかった。昨夜は心配で一睡もできなかった」と苦渋の表情。パーティーの一員だった植田さん(61)も「残念でたまらない」と力を落とした。一行は午前6時半に出発し、約1時間後に現場に到着。そこで緑色のテント内に残されていた鈴木さん、鶴岡さん、吉沢さんの3人を収容した。間もなく、テントから5メートルほど離れた地点で雪に埋もれた助田さんを発見。助田さんも既に意識はなく、中村さんは「無念の一言だ」とうめいた。
亡くなった4人は山岳会の主要メンバー。鈴木さんは雪崩発生時、パーティーの先頭に立ち、スキーで通る道をつくる役目をしていたという。中村さんは「一緒にいろんな山へ入った。7、8年前に始まった上ホロカメトック山での雪上訓練も毎年、来ていた」と振り返った。助田さんと親交があった山岳会の吉野さん(66)は「山の人だった。経験も豊富だったのに……」とため息をついた。
一方、上富良野町立病院に駆けつけた助田さんの長男(35)と長女(38)は「父は『天気が気になるけど、気をつけていってくる』と言って出かけました。事故に遭ったのは、まだ信じられない」と涙ぐんだ
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追加情報
十勝岳連峰4人死亡、今回の雪崩は速度速い「面発生
北海道上富良野町の十勝岳連峰上ホロカメットク山(1920メートル)で雪崩が発生し男女4人が死亡した事故で、日本雪氷学会北海道支部の雪氷災害調査チームは25日、現地調査を行い、今回の雪崩について「表層雪崩の一種で、大型で速度が速く危険性が高い面発生乾雪表層雪崩だった」と発表した。
調査によると、雪崩は幅70メートル、長さ460メートル、深さ0・7メートルの規模で、発生地の化物岩付近の斜面(1620メートル付近)から破断した積雪層が、V字谷(1430メートル付近)をめがけて崩れ落ちた。
また、今回の雪崩は発生地点の破断面を確認できる「面発生」と判明。崩れた雪は、乾いた雪かしまり雪と呼ばれる「乾雪」で、古い雪の上に積もった新しい雪部分の「表層」だったことがわかった。